ジェンダーとセクシュアリティ2012
(GS2012)

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1960年代後半、大企業や保守政治家、経済成長第一主義、ベトナム戦争に対して、社会民主主義政党や議会における批判にあきたらない若者が、デモやストなど議会外で大きな反対運動を起こした。ところが、そのラディカル運動の中にも、女性はタイプやビラまきで、重要なことは男性が決めるという文化があり、性暴力もあった。また、現代的な女性のあり方とされた専業主婦にも疑問が吹き出した。ジェンダーを問う女性による運動が、労働・性・生殖・政治・文化などで広がった。

しかし、女性差別を問う運動にも問題が指摘された。高学歴・中間層の運動になっている、同性愛女性を排除している、障害者を無視している、アジア・アフリカの女性や少数民族・マイノリティの女性を見ていない、などである。

1990年代、性別を超えて、ジェンダーやセクシュアリティを問う運動が広がった。60年代ラディカル運動の中から出てきた男性同性愛者の運動や、ジェンダーの問い直しの中で表面化したトランスジェンダー、さらに、出生時の性別が男女の典型的なものとなっていない「性分化疾患」当事者の運動である。本講義は、それらの全ては網羅できないが、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる今日的論点を、教員と当事者との講義により、学生の理解を広げることをねらいとしている。

参考文献:島津威雄・橋本秀雄・花立都世司『性を再考する』青弓社

日本女性学会ジェンダー研究会『Q&A 男女共同参画/ジェンダーフリー・バッシングバックラッシュへの徹底反論』明石書房

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